脳科学研究センター
HIAS Brain Research Center (HIAS-BRC)
脳科学研究センターは、部局横断型の組織であるHIASの付属センターとして、令和5年7月1日に発足した。
本センターは、共用設備として、磁気共鳴画像装置(MRI)や電磁シールド実験室を備え、これをセンター教員はもちろんのこと、学内外に開放することで、HIASの他のセンター、例えばデータ駆動社会研究センター、医療政策・経済研究センター等のセンターや、学外の大学、研究機関、民間企業などと共同研究を促進することが可能となり、社会科学とデータサイエンス、医療分野など、文理共創による総合知を創出する拠点となることを目的とする。
本センターは以下の3つの班からなり、それぞれの領域において、世界最先端の研究を行うとともに、脳機能計測実験、脳科学的知見による社会科学分野の発展を目指している。
各班の役割は以下のとおりである。
① 認知科学班
知覚、記憶、言語、問題解決など人間の認知機能を研究する認知科学分野は、脳科学が対象とする個人の単位での人間のとらえ方と社会を単位とする社会科学の懸け橋となるものである。脳機能計測を認知科学的問題意識で取り扱うことで、社会科学分野における脳機能計測の有効な利用につなげていく。
② 計算論的神経科学班
計算論的神経科学は、脳が行う情報処理を数理モデルと実験を組み合わせて解き明かす分野である。人工知能分野やデータサイエンス分野との関連が深く、本学に令和4年度に設置されたソーシャル・データサイエンス学部とも共同して研究を進めることができる。また、社会科学分野でも、数理モデル化が進んだ経済学とのマッチングがよく神経経済学とも呼ばれる新しい研究領域を作っており、本学における新しい研究分野における脳機能計測を加速させる。
③ 社会心理学班
社会的行動の神経基盤を研究する社会脳科学と呼ばれる領域が近年発展してきている。本学では社会・文化的環境が行動や認知、感情、ウェルビーイングなどに与える影響を研究する社会心理学の分野においても強みを持ってきた。このような本学に蓄積された知見を脳機能計測分野でも活かせるよう実験方法の整備、実験手法の開発を兼ねて、世界最先端の研究を実施していく。
このように、本学の強みである社会科学分野と脳機能計測の協力により、社会科学のさらなる発展と社会問題の解決に貢献することを目指す。